Profile - プロフィール

3年ほど配管用の鉄管などを製造する工場に勤務していましたが、野球が趣味で、体を動かすことが好きだったので、自然の中で仕事ができる地元の松阪市森林組合(後に森林組合合併により現在の松阪飯南森林組合となった)へ転職しました。転職当時、森林組合の仕事内容について、木を伐採して販売する程度の認識で、日給制であったこともあり、アルバイト感覚でのスタートでした。
現在、この職場に勤務して25年目で、5年前に集約課の課長となり、課の業務全体の管理統括を行いつつ、皆伐・造林業務も担当しています。当組合は正規職員54名、臨時職員を入れると92名の大所帯で、このうち集約課は、私を含め19名の職員が所属しています。内訳は伐採、搬出、造林などを行う現場技術者12名、測量、森林施業プランの作成、所有者への説明、補助金申請などを行う森林施業プランナー4名、木材販売を行う共販業務2名の構成となっています。
業務が、外業(現場技術者)、内業(森林施業プランナー)、販売(共販所)と多岐にわたっていますが、課長になるまでの20年間で、ほぼ全ての業務を経験しているので、業務内容の把握や進捗管理などの面で、この経験が役立っていると感じています。現在は、組織も大きくなり、分業体制が確立しているので、私のように複数の業務を経験する職員は少なくなると思います。担当業務の専門性は高まると思いますが、自分の経験に照らして、どちらが良いかと考えることもあります。
業務内容が多岐にわたり、所属職員の年齢構成も若手・中堅からベテランまで幅が広いので、職員間の良好なコミュニケーションや人間関係づくりを常に心がけ、自分自身も仕事を楽しむようにしています。
林業の厳しい状況を打破できるヒントを得られないかと考え、受講を希望しました。
みえ森林・林業アカデミーの受講を決めた理由について教えてください。
以前にも増して、林業の厳しい状況を感じ、その打開策を日々考えるようになりました。このアカデミーは、開講1年目に、マネージャー育成コース(Mコース)を受講し、講師陣や講座内容なども、ある程度把握していたので、何とか、この厳しい状況を打破できるヒントを講師の方などから得られないかと考え、受講を希望しました。
特に、管理職となって5年が経過したこともあり、組織運営や経営面の勉強をしたいと思い、2年間をかけて課題の解決策をプロジェクトとして取り組むディレクター育成コース(Dコース)の受講を決めました。また、Mコースの時はあまりできなかった講師や他の受講生などとの交流や情報交換も目的の一つでした。
受講した年度を振り返ってみていかがでしたか。
Dコース1年目は、2年前のMコースと関連する講座もあり、良い学び直しの機会となり、新たな気づきも得られました。また、目的の一つであった講師や他の受講生、事務局の方々との交流もできました。この交流ができたことで、2年目のプロジェクトも、助言などを気軽に求めることができ、進めやすかったように思います。
2年目のプロジェクトの取組みは、仕事と同時並行であったので、時間が足りず、想像以上に大変でした。また、取り組みたい課題が色々あり、絞り切れずに、随分と悩みました。

結局、職場全体の課題であり、所属する集約課の課題でもあると考えていた「経験の浅い若手職員の育成」を課題とすることにしました。この課題は職場の理解も得られたので、その面では効果的に取り組めたと思います。
企画書作成講座を通じて、伝え方の難しさと大切さを知りました。
受講後、どのようなことが身につきましたか。
サトウダイスケさんの「企画書作成」の講座がプレゼン資料の作成に関して、新たな気づきとなりました。今まで、森林施業プランナーとして、森林所有者など、個人への説明資料を作成してきましたが、多くの人に向けたプレゼン資料作成の経験は、ほとんどありませんでした。
この講座を受講したことで、分かりやすく伝えるためには、資料の作成や見せ方だけでなく、伝えたいことを自ら理解し、具体的な情報を収集し、活用することが重要であることを学びました。また、プレゼン構成(テーマの背景⇒目的⇒方法⇒達成イメージ⇒将来像など)が、説得力の向上に繋がることを実感しました。
2年目のプロジェクトでは、考えをまとめてプレゼン資料を作成する必要がありましたが、実は、今まで、プレゼン作成ソフトを利用したことが無く、プレゼン資料作成は初歩からのスタートでした。このため、自主学習と事務局の方などから教えてもらいながら資料作成を進めましたが、Dコースを終えた今では、プレゼン作成ソフトも自在に使えるようになり、良い思い出となっています。

身についたことが、現在の業務にどのように活かされていますか。
また、今後どのように活かしていきたいですか。
先ほど、説得力のあるプレゼンテーションの方法が大きな学びであったと言いましたが、これは、森林所有者への施業提案、営業活動、補助事業への取り組みの説明などにも、共通して活用できると思っています。特に、補助事業や新規事業等への取組は、組合内だけが理解していても意味が無く、目的、将来像などを森林所有者、関係者に、分かりやすく説明することを心掛けるようになりました。
今まで当組合では、間伐を中心に取組んできましたが、スギ花粉症対策などを含め、皆伐の取組を進める時期に来ていると感じています。間伐から皆伐への事業を転換していくためには森林所有者の理解が不可欠で、説明の機会が増えると思いますので、習得した説明スキルに磨きをかけ、様々な場面で活用できればと思います。
また、皆伐への取組が進めば、造林など、林業現場での業務量や共販所の取扱量が増加することが予想され、プロジェクトで取組んだ「経験の浅い若手職員の育成」が重要となるので、さらに職場内で発展させていきたいと思います。
補助金に縛られない林業経営を目指して、森林組合として出来る役割を模索し続けたいです。
将来の夢・目標について教えてください。
最も重要な目標は、森林組合員の要望に応え、組合として役割を果たせるように、現在の業務に全力を尽くすことです。そのうえで、補助金に縛られない林業経営の実現を目指せればと思います。この実現はかなり難しく、将来の夢と言われそうですが、森林組合として出来る役割を模索し続けたいと思います。
もう一つは、個人的な意見かもしれませんが、補助金に縛られない林業経営の実現のためには、森林施業プランナー(経営)とフォレストワーカー(現場技術者)の両方で能力を発揮できる人材が必要だと思います。言わば、野球の大谷選手です。大谷選手のような両面で一流という人材は、個人の才能も関係するので難しいと思いますが、それに近づける「オールラウンダー」の育成を支援できればと思っています。

今後受講する方にメッセージをお願いします。
Dコースは、2年目に自らの課題を解決するプロジェクトに取組みます。働きながら取組むことになるので、大変であることを覚悟しておく必要がありますが、やりたいことをできる機会は、めったに無いので、楽しんで取組んでもらいたいと思います。
自分の場合は、業務としてアカデミーに通っていて、職場の理解が得られているので、職場の課題である「人材育成」をプロジェクトテーマとしました。結果として、プロジェクト検討が進めやすく、修了後に、検討した内容を職場での実践的な取り組みとして、展開することができました。
一方、職場とは関係なく、個人で考えていることや職場で理解してもらえないことに取組む方も見えると思います。これは、時間管理が大変ですが、トライしてみても良いと思います。最後までやれば、達成感を味わえると思います。頑張ってください。
現在のプロジェクトの進捗状況を教えてください。
新しく現場技術者として働き始めた新人の育成システムをプロジェクトテーマとして取り組みました。概要は、ベテラン班長を先生役として新人を育てる「若手育成班」を作って、立木の伐倒などの基本技術を2、3年かけて業務の中で習得させ、卒業後、各業務班へ移動・配置する人材育成システムです。業務班では、さらに実践技術として、高性能林業機械の操作などを習得させ、6~10年かけて一人前の現場技術者に育ってもらおうという狙いがあります。
プロジェクトでは、育成班の設置とシステムの概要をまとめ、習得させる技術項目リストやカリキュラム作成などを行いましたが、アカデミー修了後、この人材育成方法を職場で取り入れることになり、育成班が正式に設置され、システムとして動き始めています。10月からは、新規就業者が2名加わり、4月から更に1名が増えることが決まっているので、新たに指導者を配置し、育成班を2班体制に増やしました。今後、状況に応じて微修正を行いながら、このシステムをブラッシュアップし、人材の育成を進めていきたいと考えています。

