2025年度 受講生募集要項(PDF)

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受講者インタビュー

ディレクター育成コース令和2年度、令和4年度受講

学びに加え、交流範囲が広がったことで、
新たなプロジェクトの推進や活動の幅が広がりました。

三重県 山本 剛様 林業

Profile - プロフィール

2014年9月に、伊賀地域の未利用材を買い取り、バイオマス発電所へ販売するバイオマスチップ製造会社を1名(代表社員)でスタートし、4年目からチップ用原木の集荷のため、間伐等の施業を始めました。
2019年には三重県から育成経営体の認定を受け、生産量も増えつつあった2021年に、西垣林業株式会社に事業譲渡するとともに、社員として再スタートすることになりました。

現在、西垣林業三重事業所マルタピア(三重県伊賀市)のバイオマス部門に所属し、素材生産者への営業、木質バイオマスの製造・販売などを担当しています。県内のバイオマス発電所など数社へ、バイオマスチップを販売し、納入量も年々増加しています。

個人のプロジェクトではなく、職場のプロジェクトとして取組むことで、「やりたいこと」と「仕事」が一つに整理されました。

みえ森林・林業アカデミーの受講を決めた理由について教えてください。

会社をスタートしてから、木質チップなどの生産量も徐々に増え、色々な方と接する機会が増えると、原料である木材、供給元の山のこと、木材業や林業などについて、知識不足を感じるようになりました。

また、チップ生産量が増えてくると、周辺に豊富な森林資源があるのに、木材の集荷に苦労するようになり、担い手不足という話を聞くと、「なぜ?」という素朴な疑問が湧き、答えを得るためアカデミーの受講を考えました。丁度、そのタイミングで、受講生の森下さん((有)森下林業)と話す機会があり、「すごく勉強になるよ」と進めていただいたことで受講を決めました。

受講した年度を振り返ってみていかがでしたか。

基礎知識の無い状態での受講スタートでした。人工林という言葉を初めて聞き、普通に目にしてきたスギ、ヒノキの森林が、人の手によって山の上まで植えられ、育てられてきたことに驚きましたし、今まで、植え、育ててきた木を有効に活用しなければとの思いを強くしました。また、林業や関連産業の状況、先端技術の動向、産業としての歴史や森林の文化的意義など、新しいことを知る楽しさとともに、情報量の多さに苦戦しながら講義の振り返りを行った記憶が蘇ります。

1年目の講座終盤に、2年目に取組むプロジェクトを考えることになりましたが、取組みたい課題が多く、焦点を絞れずに悩みました。また、その頃、バイオマス業務も忙しくなり、1年間休学することにしました。休学中に業務と独自の活動(地元名張地域で森林整備とバイオマス材の集荷など)を行いながら、地域林業の担い手不足を痛感し、担い手の育成をプロジェクトテーマとして、受講を再開することにしました。講師からのアドバイスもあり、当初考えていた個人のプロジェクトではなく、職場のプロジェクトとして取組むことにし、「やりたいこと」と「仕事」が一つに整理され、取り組みやすく感じたことを記憶しています。

受講をきっかけに出来た人的ネットワークから様々な情報が得られ、イベント講師の依頼なども来るようになりました。

受講後、どのようなことが身につきましたか。

今まで、バイオマス業務や地域林業の関係者との付き合いしかありませんでしたが、交流範囲が大変広がりました。また、森林・林業に関する現状や理論などを学ぶことができ、風景として眺めていた森林も、健全性維持のため森林管理が必要であることを改めて知ることができました。

講座では、中川雅也さん((株)中川)の講義が大変印象に残っています。全国でも珍しい造林を主業務とした「木を伐らない林業」を行う中川さんの考え方、多様な方々と連携した苗木生産やドングリプロジェクトなど、大変感銘を受け、現地を訪ねてお話を伺い、この取組みをモデルとして、自分でも何かできないかと考えるようになりました。

身についたことが、現在の業務にどのように活かされていますか。
また、今後どのように活かしていきたいですか。

現在、子どもたちに、森林や林業の楽しさを伝える活動を行っていますが、間伐などの施業を説明する際に、得られた知識が役立っています。また、受講をきっかけに出来た人的ネットワークから様々な情報が得られ、イベント講師の依頼なども来るようになり、活動の幅が広がっています。
今後、林業に興味のない人が、林業の支援者になっていただく活動にも得られたネットワークや知識を活用したいと思います。

中川さんの講義を聞いてから、地元の名張でも広葉樹苗木の生産をできないかと模索するうち、就労支援などを行う社会福祉法人名張育成会が一緒に取組んでいただくことになり、「名張育成会TUNAGUどんぐりプロジェクト」として、どんぐりを集め、苗木生産を行う活動を始めましたので徐々に活動を広げていきたいと考えています。

みえ森林・林業アカデミーに対する意見、要望があればお願いします。

アカデミーを受講してよかったと思う一つが、多くの人と交流できたことで、この関係は今後も大切したいと思っています。既に終了した方や現在受講している方などが、一堂に会するシンポジウムや交流会などの場を年1回くらいは設けていただければと思います。

三重事業所の「やまよろず」として、地域の課題解決・担い手育成を行う基盤を築いていけたらと思っています。

将来の夢・目標について教えてください。

地域林業を盛大に盛り上げたいと言いたいところですが、当面は地道に、アカデミーのプロジェクトで取り組んだ地域密着型の担い手の育成や仲間づくりを進めていきたいと思います。また、取り組みを始めた、「名張育成会TUNAGUどんぐりプロジェクト」を軌道に乗せ、人と森林が触れ合い、交流できる里山を再生していきたいと思います。そして、子どもたちに、森林や山に関わることの楽しさや、わくわく体験を伝えたいです。

今後受講する方にメッセージをお願いします。

現在の職場で数年働き、疑問点や「もやもや感」があり、愚痴を言うのであれば、アカデミーに来て、講師の方々の話を聞き、疑問を投げかけてみたら如何でしょうか。
まずは、一歩踏み出してみることをお勧めします。

現在のプロジェクトの進捗状況を教えてください。

プロジェクトで会社に提案した担い手育成策については、継続して協議していますが、まず、地域の素材生産者や山林所有者の相談など三重事業所の「やまよろず」として、地域の課題解決・担い手育成を行う基盤を築いていけたらと思っています。

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