2024年度 受講生募集要項(PDF)

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三重県林業研究所 アカデミー運営課
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受講者インタビュー

ディレクター育成コース令和元年度~令和2年度受講

調査・計画→実行→検討・修正→再実行
アイデアを具体化するプロセスを経験しました。

三重県 森下智彦様 林業

Profile - プロフィール

(有)森下林業で働き始めて21年目になります。業務内容は、自社山林の管理で、主に枝打ち、間伐、下刈り、植栽などの造林作業や林道沿いの伐採収穫、苗木づくりなどを行っています。
また、アカデミーのプロジェクトで取り組んだ自社山林に生育するシキミ等の収穫・販売も行っています。現在従業員は、私を含め5名で、そのほか、アルバイトとして3名を雇用し、他事業体の森林管理なども行っています。

書物では得られない最先端の話や詳しい話が聞け、
感心する講義が多く、充実した日々でした。

みえ森林・林業アカデミーの受講を決めた理由について教えてください。

元々、新しい知識などを学んでいかないと、取り残されるのではと感じていたこともあって、アカデミーの受講に興味がありましたし、講師陣の顔ぶれも大変豪華だったので、受講することにしました。
最初はマネージャー育成コースの受講を考えていましたが、アカデミー特別顧問の速水さんに相談し、ディレクター育成コースに挑戦してみることにしました。

受講した年度を振り返ってみていかがでしたか。

講義中心の1年目については、林業関係の書物、雑誌などから知識・情報を得ていたので、基本的なことは解っているつもりでしたが、講師の方たちの講義を聞くと、書物では得られない、最先端の話や詳しい話が聞け、感心する講義が多く、大変興味深く、充実した日々でした。特に、東北地方の木材流通システムに関する講義で、一大流通拠点を構築したノースジャパンの鈴木理事長の講義は大変驚き、印象に残っています。

2年目の自らの課題解決を行うプロジェクトの取組みは、自社有林に自生するシキミ、サカキ、アセビなどの下層木を採取・販売し、林業との複合経営の確立を目的として取り組みました。仕事と並行してプロジェクトを進めつつ、定期的に成果発表の準備をしなければなりませんでしたが、これがかえって“やる気”につながり、プロジェクト内容を深く考える時間を与えてくれました。振り返ると、アカデミーの講座に合わせて、プロジェクトに取り組まなければ、進められなかったと思っています。

課題解決プロジェクトでは、漠然としていたアイデアを
具体化するプロセスを学ぶことができました。

受講後、どのようなことが身につきましたか。

自分の知識・情報を上回る講義内容で、今まで理解できていなかったことも、解るようになりました。また、様々な情報についても、より広く、詳しく収集するようになり、受講前に比べ、取得情報の精度も上がったと思います。

2年目の課題解決プロジェクトは、大きな学びになりました。事前に下層木の資源内容を調査し、採取・販売計画を立て実行してみる。この結果をアカデミーの講座で報告し、講師の方からアドバイスを受け、改善して更にプロジェクトを進めるというサイクルで講座が行われました。
今まで漠然とした思いだけが先行していたものが、このプロセスを経験できたことで、徐々に具体化していくことができ、アイデアを具体化する考え方や実現可能とするための計画立案方法など、多くのことを学べました。

身についたことが、現在の業務にどのように活かされていますか。
また、今後どのように活かしていきたいですか。

2年目の課題解決プロジェクトの取組みで、調査・計画→実行→検討・修正→再実行とういう、アイデアを具体化するプロセスを経験できました。この経験は、様々なアイデアを実行するためだけではなく、現実的に実行の難しさや方法が見いだせない等の場合に、“実行しない”判断にも活用できると考えています。今後の業務に活かしていきたいと思います。

みえ森林・林業アカデミーに対する意見、要望があればお願いします。

ディレクター育成コース2年目は、課題解決のためのプロジェクトを行いますが、職場の課題を解決するのであれば、職場でプロジェクトチームを結成し、チームで受講できる方法を検討していただけると、プロジェクトの取り組みも、より進むと思います。

また、常に最新の情報や知識を得られるように、今、アカデミーではどの様な講座が行われているなどの情報が取得できるようなネットワークを構築していただけるとありがたいです。

高齢になっても山に関われるようにしたいです。

将来の夢・目標について教えてください。

当面は、アカデミーのプロジェクトで取り組んだシキミ、サカキなどの収穫・販売を進展させるために、作業道の開設を進めたいと考えています。将来的には、林業の伐採・搬出は、体力が必要なので、これは若い人に任せ、シキミ、サカキの収穫・販売で、より収入が得られるようにし、高齢になっても山に関われるようにしたいです。

今後受講する方にメッセージをお願いします。

以前は、興味ある講演会や研修会の会場が遠方で、時間や費用が掛かるなどで、あきらめることが多く、残念な思いをしていましたが、アカデミーができたことで、県外の著名な講師が三重県まで出向いてくれて、1日で多くの講義を聞くことができるようになりました。また、ディレクター2年目は、自分の思いを具体化するために、丁寧な指導を受けることができますし、他の受講生のプロジェクトを聞くことで、新たな視点や手法に気づかされました。
私と同じような思いや悩みがある方は、ぜひ受講してください。

現在のプロジェクトの進捗状況を教えてください。

アカデミーのプロジェクトでは、シキミ、サカキ等の採取・販売で、年間300万円を稼ぐことを目標としていました。当初は、目標達成向け順調なスタートでしたが、品質の維持や販売価格の変動への対応、商品に応じた販売先の確保など、課題も見えてきました。アカデミーでは、収穫量にのみ着目して、資源量調査などを行っていましたが、明らかとなってきた課題に対応を行いつつ、プロジェクトを進めています。

また、自生するシキミ、サカキだけでなく、資源量の増加、品質の向上などのため、人工林の林床への挿し木による増殖も試みてもいます。
炎天下での造林地の下刈りは重労働なので、半日は下刈り、半日はシキミ、サカキの収穫といった方法や、皆伐前の事前伐採での収穫など、今後は林業作業との複合化や品質の高いシキミ、サカキなどのブランド化、ユズリハ、クロモジなどの新たな商品開発を行うなど、収益率のアップを目指したいと思います。

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